金消契約(金銭消費貸借契約)

住宅ローン本申込みを終え、承認がおりると、後は不動産の引渡しです。

ですが、住宅ローンを利用される方は、不動産の引渡しまでの間に
金融機関と「金消契約(金銭消費貸借契約」を結ぶ必要があります。
「きんしょうけいやく」と読みます。
金消契約とは簡単に言うと、金融機関とお客様とのローンの契約です。
借入れする金額や借入期間、金利についてなど
ローンの条件を確認して、金融機関と融資の契約を結びます。

ですから、一般的にはその金融機関で契約を行います。
当日はローンの内容の説明と署名・捺印がほとんどです。
その金融機関の通帳を持っていない場合には、この時に作ってしまうことが多いです。
金消契約にかかる時間は大体1時間~2時間程かと思います。
業者さんや担当さんによって異なるとは思いますが、仲介業者は同席しないことも多いです。
私は基本的には同席致しません。
先ほど申し上げた通り、ほとんどが金融機関からの説明と署名・捺印であるため
同席していても基本的にただいるだけの状態になってしまいます。
と同時に、本来知る必要の無いお客様の個人情報を
ずっと聞いているような状態になるからです。

金消契約は通常、金融機関の営業日に行いますので
必然的に平日のどこか、時間を取る必要が出てきます。
金融機関によっては、土・日・祝日にローンセンターなどを開いており
そこで金消契約も対応できるというケースもあります。
ただ、どんどんと予約が埋まっていきますので
平日に時間を取れない人は、早めに予約をしましょう。

※不動産の引渡日も銀行営業日である平日に行うため
平日にあまり時間が取れない方は、早い段階で
仲介業者か金融機関に相談をするようにしましょう。

金消契約を行う具体的な時期についてです。
金融機関によっては金消契約と引渡日までの間を
数日間(3日間、6日間など)開けてくださいと言われます。
ですから、引渡日の1週間前程に行うことが多いように思います。

金融機関やケースにより異なりますが
主に当日必要な物は下記の通りです。

・実印
・身分証明書
・通帳
・銀行印
(※当日通帳を作る人も、新しい通帳のための銀行印が必要になります)
・住民票 (枚数は金融機関、ケースによる)
・印鑑証明書 (枚数は金融機関、ケースによる)

金融機関によっては金消契約時に
印紙や印紙代が必要になることもあります。

ここで一番のポイントが、住民票と印鑑証明書です。
おそらく皆様が金消契約のご案内をされる時は
「新住所の住民票○通」「新住所の印鑑証明書○通」と
ご案内されると思います。

新住所?どういうことでしょうか。

新住所の住民票等を取得するには、当然住所を
新居の住所に移動しなければなりません。

ここからは不動産業者としてではなく
不動産業界の現状を客観的に見る立場で
お話しさせていただければと思います。

住民票移動の原則は、引越しを完了してから行うものです。
金消契約時には新居はまだ自分の物にはなっていませんから
当然、引越しも行っていません。
それでも、売主様がまだ住んでいて住民登録していたとしても
買主様が重複して、新居に住民票を移動できてしまうため
不動産業界の慣習では、先に買主様が新住所に移してしまう事が多いようです。

なぜ、新住所に移すのでしょうか?

その主な理由は、登記の2度手間を避けるためです。

通常、不動産の引渡しを受けた際には
所有権が移転したことを、その時点で1度、登記します。

旧住所のまま引渡しを受けると、一旦、旧住所で登記を終え
その後、新居に引越しをします。

そして引越しをした後に、旧住所から新住所に住民票を移動し
「住所変更」の登記をもう1度しなければなりません。

つまり、お金と手間が2度かかるのです。

引渡しを受けた時点で新住所で登記していれば

この後新居に引っ越しをしても、既に新住所で登記されていますから
住所変更の登記をする必要がないのです。

基本的に住宅ローンを組まない方は
引越し後に新住所への住所変更登記をする必要もありませんが
将来、不動産の売却などをする時などに
やはりもう1度お金をかけて住所変更登記をしなければなりません。

他にも、登記をする際にかかる「登録免許税」という税金の軽減措置を受ける時も
新住所で登記をしていた方が、スムーズにその軽減措置が受けられるということもあるそうです。

ただ、最初に原則をお話しした通り
「引越しをしてから住民票を移動する」というのが正しい形なので
本来は
不動産の引渡しを受け→引越し→住民票移動→住所変更登記
とするのが、本来の正しいやり方なのです。

実際に役所に行って住民票を移動する際に
「いつ引っ越しされましたか?」と役所の人に聞かれた時に
「まだです。これからです。」と答えると
「それでは引越ししてからまた来てください」と言われます。

これは不動産取引の大きな矛盾でありながら
一般的な慣例になっているようなので
なんとかしっくりくる制度に変えてもらいたいものです。