新旧いろいろ、測定器具
われわれ建築工事を行う際いろいろな工具を使います。造るという作業の前に、測るという作業が必ず必要になります。今回は計測する為の道具についてご紹介したいと思います。まずは長さを図る代表的な道具「メジャー」です。「コンベックス」や「スケール」と呼ばれることも有ります。押し付けて測る事は勿論、先端のツメを利用し引掛けて測ることも出来ます。このときツメの厚みを計測に入れてしまわないよう、ツメが厚み分だけ移動する仕組みになっています。その他に、定規のように使われる道具で、「差し金」が有ります。L字型をしたスチール製の定規です。これも、大工さんの知恵が詰まった定規です。小さな物の寸法を測ったり、直角に線を引くだけでなく、一定の角度で線を引いたり曲線を描くときに利用されたりと、使い方は多岐にわたります。
必要に応じて道具を使い分け
次に、垂直や水平を測る道具に目を向けてみましょう。身近な道具としては「水平器」があげられます。気泡を残して液体を封入した気泡管という部品を内蔵した棒状の器具です。気泡が中央にあれば水平、端に寄れば傾きといった感じで使います。5cmぐらいの大きさのものから1mを超える長いものまであり、計測対象の大きさに有った器具を使うほうが測定精度が上がります。しかし、2mを超える長さの柱の垂直を確認するには、もう一つ道具「下げ振り」がお勧めです。糸の先端に円錐形の錘をつけたものです。糸を伸ばして錘を下げれば錘に引っ張られた糸は垂直な線を示します。重力をうまく利用した道具です。これらの測定器具は昔から建築現場で使用されていて、使い方も一工夫、二工夫され様々な場面で活躍しています。この時代にアナログ的に感じるかもしれませんが、使い勝手の良さはデジタル測定器にはないものが有ります。
アナログでは難しかった測定を可能にしたデジタル機器
逆に、レーザーを利用した距離測定器や水平器はその精度や測定範囲の広さなどアナログ器具を使用して一人で計測する事が難しかった測定を可能にしています。それぞれの特徴を理解し適切に選択、使用していくことで、短時間に正確な測定が出来、正確なもの造りに繋がっていく事になるのです。ふと職人さんが使っている道具が不思議な形をしているな。と思う瞬間はありませんか?不思議な形をしている事にはいろいろな意味が有ります。その意味を探求していくことも面白いと思います。
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