あの手この手でＤＩＹ

最近ホームセンターへ行くと、ありとあらゆるものが揃っているのに驚きます。材料も道具も本職さんが使う物がしっかりと揃っています。20年ぐらい前にも別のホームセンターが近所にありました。当時の私には、ほかのお店に置いていない工具や材料がいろいろあって、結構ワクワクしたことを覚えています。興味のない人には本当につまらない所のようで、「何が面白いのかわからない」とよく言われました。私にとっては、割安で工具が揃ったりしてとても魅力的でしたが、当時、大工さんや他の職人さんたちと話をしているとホームセンターの工具はダメだ。という話をよく聞きました。確かに、良く目にしたのは、無名の格安工具などが多く、あまり精度の良くない格安品を多く揃える風潮があった気がします。

しかし現在のホームセンターでは一流メーカー品の展示も多く、建築で使える木材や建材も豊富に揃っています。もちろん、ホームセンターならではの商品で、若干、素人向けの物もあり、あまりプロが使用しないものも混在しています。うっかり本格的な物と勘違いして買ってしまう事もあるかもしれません。そこは注意が必要です。このように、ホームセンターの品揃えは、汎用性を含みながら専門性アピールしている便利な品ぞろえだと思います。一方、ここで揃わないものがあれば、インターネットという手段もあります。これもとても便利なもので、昔の部品やメーカーが解らないものなどを探すときにもとても有効です。この二つがあれば、なんでも解消と思えてきます。我々にも力強い存在です。

ただ、これだけでは解決が付かない場合もありました。知人から、浴室排水口の目皿（めざら：排水管への異物混入を防ぐ隙間が空いたフタ）の取り寄せ依頼をもらった時でした。現物（破損品）を預かり、ホームセンターへ。（すでに知人は他のホームセンターで相談していましたが、探し出せていませんでした。）やはりそこにはありませんでした。インターネットならと思い、いろいろ検索をしてみましたが、出てきません。唯一同じ物が使用されていた写真を画像として発見しましたが、特に販売情報にたどり着くデータは発見できませんでした。並行して依頼をかけていた問屋さんから情報が入ってきました。某メーカーでそれらしき商品があると言う事で、製品の図面を送ってくれました。正に、それでした。正規に仕入れられたので、価格も抑えられ、大変喜んでもらえました。我々プロは、あの手この手をどれだけ使えるか、ここが重要だと実感しました。これこそ私たちが仕事をさせてもらう理由なのだと改めて感じました。