階段手摺
新築住宅を販売していると、お越しいただいたお客様より『階段に手摺が付いていて、いいですね。』といったお言葉を頂戴したことがあります。
ご存知の方も多いかもしれませんが平成12年の建築基準法改正で、住宅を建築する際には、階段に手摺を付けることが義務化されました。新築工事を行う際には、多くの地域で建築確認済証の交付を受け、着工することが求められます。
建築確認申請時の添付図面には階段手摺の設置を明記しなければ審査を通る事はできません。つまり建築確認済証が交付されません。また図面に記載してあっても、実際に取り付けていない場合、完了検査で適合がもらえません。(検査済証がもらえません。)検査済証が交付されないと金融機関の融資が実行されないケースもあります。(工事代金がもらえないということになります。)
義務化によって製品が豊富に
このように法律で義務付けられた階段手摺の存在は、建築や設計側にとっては避けて通れない存在になっています。他方、法律施行前の建物について、取り付けを義務化するものでは無い為、法施行以降、新築や改修工事と無縁だった方には浸透していない話のようです。
義務化される前、新築住宅を購入した方にとって、階段手摺はオプション扱いが一般的で、製品バリエーションも限られ、価格的にも高額な感じがありました。
現在では、高齢者福祉の観点から注目された点も加えてか、さまざまな製品が発売されています。正直、我々建築側としても助かります。以前では、状況によっては取り付け困難と判断していた場所に対応してくれる製品なども多く発売されているからです。
以前より取付が容易になった
手摺を取り付けるために最も大切なのは、下地と呼ばれる、壁の内側に忍ばせた丈夫な裏板です。柱と柱の間に頑丈な板を渡し、その板を信頼し手摺の金物を取り付けます。信頼した手摺に全体重を掛けるのですからしっかり固定されていなければなりません。新築時に手すりが想定されていないと、この下地がありません。その場合、柱を探して金物を取り付けますが、状況によっては金物取り付け位置が柱からずれてしまう場合があります。
これが、以前では、取り付け困難と判断された場合です。施工側が安全と判断できない場合です。しかし、金物の取り付け方法を改良し、このような状況に幅広く対応できる商品が開発されたおかげで、よりスマートに手摺を取り付けることが可能になり、施工性も向上しました。
現在、手摺がなく、不安を感じている方は、一度、お付き合いのある建築会社さんや大工さんに相談してみることをお勧めいたします。お付き合いのない方は、弊社にご相談ください。
転ばぬ先の杖ですので、気になったときがその時かもしれません。
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