床の改装工事
今回は床の改装工事についてお伝えしたいと思います。
今まで床の改装工事についてご相談いただいた理由で最も多かったものは、床が沈むようになって、抜け落ちないか心配というものでした。これは、床下の方で材料が腐っているか、白アリに喰われているかで床が抜けてしまうのではないか?という想像からくるものです。
多いケースは
私自身の過去の経験ではありますが、多い事例は以下の通りです。木造住宅の場合ですが、浴室出口付近の床が傷んでいる場合、まず浴室出入り口サッシの敷居付近(表面又は内部)からしみ出た水で、床材及び土台が腐ってしまったケースがあります。この症状は、以前一般的だったタイル貼りのお風呂のお宅で良く見受けられました。この場合、床や土台の修繕のほか、浴室からの水漏れを止めなければなりません。次に、脱衣場所にマットが敷いてあり、その下に湿気がこもっていたり、床下からの湿気により、床ベニアの強度を損なってしまった場合があります。特に、脱衣場が合板フローリング仕上げの場合、表面上の防水性がないため、生活上の注意が必要です。修繕と共にクッションフロアー仕上げに変更する方法もあります。
リビングや廊下の場合は、当然ながら通行量の多い場所が傷む傾向があります。床下からの湿気と踏込による衝撃で床板自体の腰がなくなってしまった状態が多く見受けられます。改修工事の際、床を切り抜いてみると床を支えている根太(ネダ)と言われる木材は意外としっかりした状態で現れるケースが結構あります。その場合、上からフローリングを重ね張りする事で従来より床剛性を高める事が可能です。
重ね張り(二重張り)が合理的
最近の新築住宅では、フローリングを張る前に、荒床(あらゆか)と呼ばれる合板を張ります。この上にフローリングを張るため、厚さ12㎜のフローリングにかかる負担は少なくなり、長期的に安定した強度を保てますが、以前は 根太の上に直接フローリングを張ることが一般的でした。12㎜のフロアーのみですので、傷みが出やすいのも仕方がないかもしれません。ただ、当時の建物はバリアフリーといった概念があまりないため、敷居が床よりも上がっている場合が多くあります。これにより既存の床の上に12㎜のフローリングを重ね張りしても他の部屋への影響が出にくく、既存床の剥がし作業や、処分費用も節約できるため、貼替より重ね張りがお勧めだと思います。 参考にしていただければと思います。
今回ご紹介した事例や方法は、ほんの一部です。建物の問題には様々な要素が絡んでいる場合があります。そして、リフォームの方向性や施工方法は会社や職人により様々です。一つのご提案が全てではない事は多々あります。修繕をする際は、自分の感覚に合った施工業者を選ぶことも大切です。
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