建築と諺(ことわざ)3
今回はことわざのお話です。
実は建築と関係が
以前も建築に関わる言葉(畳・釘)が入ったことわざのお話をさせていただきました。今回は建築とは関係なさそうで、実は建築にまつわることわざです。
先ずは「几帳面」。奈良時代に上流階級で使われた間仕切りや風よけに用いられていた家具を几帳といい、その柱の表面を丸く削り、刻み目を入れたものを几帳面といったそうです。丁寧な仕上げ方であったことから、折り目正しく、きちんとしていてる様をそう表現するようになったそうです。
「結構」。構えを結ぶという字のとおり、家屋を構築したり文章を組み立てたりする事を言ったそうです。建築物の組み立てが優れているとき「立派な結構」と言っていたそうですが、やがて見事や立派な様を表すようになったとのことです。
「ぼんくら」。二つの節がありますがその一方が建築に関係しています。お盆の暑い頃に蔵の土を塗ると表面だけ早く乾き均等に乾かないので使い物にならない蔵になってしまうことから役に立たない様を表すようになったそうです。
「こけら落とし」。こけらとは木を削った時に出る切りくずのことで、建築工事の最後に屋根の上のこけらを払い落して建物完成とする習わしがあったそうです。そこから完成後初めて行われる興業をこけら落としというようになったそうです。
「羽目をはずす」。羽目というのは板を縦または横に平に張ることをいい、張られた板を羽目板といいます。本来は隙間なく整然と並ぶべきものをはずしてしまっては出来栄えが悪くなり意味がなくなってしまうことから、調子に乗って度をはずすことをいうようになったそうです。もう一節あり、荒馬の口にはめる縄のことをはめといい、それをはずすと馬が暴れ出すことから調子に乗った行動をすることをそういったそうです。どちらかといえば後者のほうがイメージしやすい気もします。