作図のお話
今回は図面のお話です。
最近はCAD(キャド)と言ってコンピュータで作図をするのが一般的ですが以前は当然ながら手で描きました。私がCADに取り組み始めたのは1997年頃だったと思います。その頃はCADで描き始めてもじれったくなり手書きに戻ったりしていました。そもそも詳しい人が周りにあまりいなかったので教わることもままならず、なんとか使いこなせるようになるまで3ヶ月ほどかかったと思います。
便利なCAD
使えるようになるとなんと便利なことか。手書きの場合は目の衰えにより40歳以降は作図がきつくなると言われていました。狙ったポイントにペン先がいかなくなるということです。CADの場合はいくらでも拡大できるので細かな部分も問題ありません。但し細かい部分を描写したものの細かすぎてプリントすると見えなかったりなんてことも起こります。
移動も楽々
拡大縮小もそうですがCADの場合は移動も簡単にできます。手書きの場合は一度書いたものを消さなければなりません。したがって図面配置が重要になります。一枚の紙のどこに何をどんな縮尺で描くかということを検討するのが作図の第一歩となります。この配置を誤るととてもバランスの悪い図面となります。情報が伝わればバランスが悪くてもかまわない訳ですが当時は図面の美しさも評価の一部でした。
懐かしい青焼き(あおやき)
印刷の手法も大きく異なります。ご自宅の設計図を保存されている方も多いと思いますが、青い線で描かれているものをお持ちの方もいらっしゃるかと。コピー機が普及していない時代は青焼きといって、光が透過するトレーシングペーパーや和紙に図面を描きました。その紙と感光紙という特殊な紙を重ねて機械に投入するとそれらに光があたり光が透過した部分は感光紙が白くなり、描かれた線により光が透過しなかった部分は青く残る仕組みです。今はコピーという発想ではなくプリンターでその都度印刷します。時代とともにどんどん変化していきます。