コンクリートのお話
今回はコンクリートについてです。
コンクリートはほとんどの方がご存知かと思います。
建築物には必ずといっていいほどコンクリートが使われています。コンクリート造の建物なら当然ですが、木造や鉄骨造等、見える部分がコンクリートではなくても基礎部分はコンクリートが使われています。
セメント・モルタルとの違い
コンクリートをイメージさせるものでセメントやモルタルといったものがあります。区別がつきにくいかもしれませんので、そのへんも含めてコンクリートについてお話させていただきます。先ずはセメントですがこれはコンクリートの基本材料で灰色の粉末状です。それに水を加えたものがセメントペースト、更に砂を加えたものがモルタルです。そこに砂利を加えてコンクリートとなります。
強度も順に高まっていきます。配分も大切で、一定のルーにしたがって混ぜ合わせます。実際には質を高めるために添加物も加えられます。
なぜ固まる?
さてコンクリートはなぜ固まるのか。どろどろの状態から単に水分が蒸発して固まると思われがちですが、実際はコンクリートに含まれる化学物質と水が化学反応を起こして固まります。土や泥が乾燥して固まるのとは訳が違います。
土や泥は乾燥して固まったように見えても実はもろく、水を加えると元に戻ってしまいますが、一度硬化したコンクリートは水を加えても変化はありません。コンクリートの特性は圧縮力(つぶそうとする力)には強いのですが引張力(伸ばそうとする力)には強くありません。そこで引張力に強い鉄筋を合体させたものが鉄筋コンクリート(RC)と呼ばれます。建物の構造体としては鉄筋コンクリートが使われ、住宅の基礎部分のコンクリートにも鉄筋が入っています。建物の種類や使用される場所によってコンクリートに要求される強度が異なるので、コンクリートの調合や鉄筋の種類や量で所定の強度に調整します。気温によっても強度に差がでますので夏と冬では調合が異なります。運搬、現場施工、施工後の養生にも注意事項があります。荒々しく見えるコンクリートですが実は繊細なものです。