壁の中、下地はどこにある?
室内の壁に家具を固定したり絵などを掛けるフックを取り付ける際、どこにでも釘が打てる訳ではありません。最近の木造住宅の多くは、大壁式(おおかべしき)という工法を採用しています。これは、柱を石膏ボードで覆い隠してしまう工法で、火災のときに柱を炎から守るのに役立ちますが柱が見えなくなってしまいます。石膏ボードに釘やビスを打ってもグズグズになってしまい、ねじが効かないといった経験のある方も多いと思います。
大工さんなら上手に見つけられるが・・・
新築工事の際は、吊戸棚や手摺の設置予定に基づき壁の中に木材を入れておきます。この作業は「下地を入れる」と呼んでいます。仕上げ作業の際は、壁の中に潜ませた下地にビスが効くため、しっかりと固定することができます。大掛かりなリフォームの場合、壁をはがして下地を入れなおす作業を行う場合もありますが、壁紙の貼替などを伴ったり、施工範囲が拡大したりすることになります。ちょっと手摺を付けたりといった工事の際には現実的ではありません。
この為よくあるのが、柱を探してその場所に固定する方法です。壁をノックして鈍い音がする場所に柱がある場合が多く、熟練の大工さんならピタリと当てることができるかも知れませんが、少しずれると壁に傷をのこすことになり、この方法でビスを打つには勇気が要ります。木造住宅の多くは尺モジュールで設計されています。この理屈を理解していれば、柱の位置に検討をつけることも可能ですが、建物によって特別な理由があったりずれている場合もあります。大工さんでなくても下地を見つけ出す方法はあります。
道具の活用で容易に
現在では、さまざまさ道具が発売されています。私も仕事柄、いろいろなものを試しました。最近では、下地センサーと呼ばれる電池式のセンサーが2000円ぐらいで販売されています。これは、大まかに下地の見当をつけるときに使っています。使い方によって多少誤作動する場合があるので、この後専用のマグネットを使用します。石膏ボードをとめる際に使用している釘に反応します。これは非破壊でかつ正確に釘の位置を特定できます。釘らしき反応を発見したら、上下にずらして他の釘を発見します。この作業で、大工さんがどのように釘を打っているか、柱がどのように入っているか目に浮かぶように判ります。もう少し念を入れるならば、下地探用の針があるので、取付け予定位置に刺してみます。木材があれば、しっかりした手ごたえがあります。簡単なものであればこのような方法で柱を探すこともできます。ただ、大きな重量や、体重がかかるものは、ねじの長さや太さ、本数などの問題も出てきますので、専門家に依頼したほうがよいかもしれません。軽量物の取付けの際は参考にしてみてください。