総栄建設株式会社 ソーエー
2019年07月04日
よもやま話
サッシの色と時の流れ
長いあいだ建築に携わっていますと、建物の外観を見ただけでその建物がいつごろ建てられたか分るようになります。
当然ながら経年劣化の状態も大きな判断材料ですがデザインであったり使われている部材により年代が分ることがあります。
シルバーからブロンズそしてホワイトへ
中でも時代による変化が顕著なのが窓に使われているサッシの色です。それまでは木の枠でできた木製の窓が主流でしたが1965年頃には住宅用アルミサッシの普及が始まりました。色はアルミそのものの色、シルバー系のみで選択肢も無かったのでアルミサッシといえばシルバーという時代でした。その後1970年代にはブロンズ系が発売されました。シルバーしか無かったところに落ち着いた色合いのブロンズが登場したので大人気となりシルバーに変わって主流となりました。そして1980年代、いよいよホワイトサッシの登場です。白い窓に横張りの外壁、欧米のカントリー調の家が建ち始め目を引くようになりました。落ち着いたブロンズに慣れていたので明るいホワイト色は新鮮で多くの建物で採用されました。
現在では様々な色が
その後ホワイトとは正反対のブラックサッシが登場。ホワイトの軽やかなイメージから一転、シックな重厚感ある家が多く建築されました。そして今、技術の進歩により各メーカーから様々な色が発売されるようになり現在は流行色というのが無いように感じます。ちなみに最初に登場したシルバーサッシですが住宅用は一時ほとんど出回らなくなり多くのメーカーが製造を中止しました。しかしながら現在は再び復活しています。様々な業界でいろいろな物がリバイバルしていますがアルミサッシも同様に時代は繰り返しているようです。
この記事を書いた人
木村 進